【2024年版】軽貨物ドライバーは本当に稼げる?ロイヤリティ・中抜きの実態と契約トラブルの回避法

軽貨物ドライバーの仕事に「月収50万円以上可!」といった求人が目立ちます。魅力的な文言に惹かれて業界に飛び込む人も多いですが、その実態を知らずに契約してしまうと、思わぬ落とし穴にハマることがあります。

この記事では、実際に軽貨物ドライバーとして働いた筆者の体験をもとに、ロイヤリティの仕組みと実態、稼げる仕組み・搾取のカラクリ、そして後悔しない会社選びの方法を解説します。


目次

軽貨物ドライバーとは?【未経験から始められるが、注意点も】

軽貨物ドライバーは、軽バンや軽トラックを使って荷物を配達する業務です。個人事業主(業務委託)として働くことが多く、フリーランスのような自由さと、努力次第で高収入を狙えるのが特徴です。

しかし一方で、「実際は稼げなかった」「話が違った」といった声も多く、その理由のひとつが「ロイヤリティ」や「中抜き」なのです。


ロイヤリティとは?軽貨物ドライバーにかかる“見えないコスト

ロイヤリティとは、配送会社と業務委託契約を結んだ際に、売上から差し引かれる手数料のことです。この金額は業者によって異なり、実際の収入に大きく影響します。

ロイヤリティの主な種類と具体例

1. 売上歩合型(10〜20%)

このタイプは、あなたの月間売上に応じてロイヤリティが変動する仕組みです。

例えば、月の売上が40万円でロイヤリティ率が15%の場合:

  • 売上:40万円
  • ロイヤリティ:40万円 × 15% = 6万円
  • 残る金額:34万円(ここからさらにガソリン代・リース代などが引かれます)

つまり、稼げば稼ぐほど手数料も増えるという側面があります。一定以上の売上を維持できるかが重要なポイントです。

2. 固定額型(月3万〜6万円)

このタイプは、売上に関係なく、毎月固定でロイヤリティを支払う契約です。

例として、ロイヤリティが月5万円の場合:

  • 売上30万円 → 手元に残るのは25万円(固定額なので負担大)
  • 売上45万円 → 手元に残るのは40万円(実質負担率が下がる)

売上が安定して多い人にとっては有利な仕組みですが、売上が少ないと赤字に転落することも。


契約前には必ず、ロイヤリティの「種類」「計算方法」「何に使われているのか」を明確に聞いてください。

中には「サポート費」「管理費」などの名目で詳細を隠す企業もあります。疑問が残る会社には契約しない判断も重要です。

契約前には必ず、ロイヤリティの「計算方法」「上限」「何に使われているのか」などを確認しましょう。


【体験談】「手取り50万円のはずが…」ロイヤリティの罠

某大手宅配会社に「手取り50万円」という求人を見て入社しました。 最初は「これはすごい!」と意気込んでいたのですが、入社後に知ったのは15%のロイヤリティ。

加えて、

  • ガソリン代(毎月3〜5万円)
  • 車両リース代(月4万円前後)
  • 各種整備費用(オイル・タイヤ・バッテリー等)
  • 任意保険・駐車場代 など

最終的な手取りは「20万円後半」でした。 「こんなに働いたのに、これだけしか残らないのか…」と毎月ため息。


多重下請け構造の“見えない搾取”に注意!

筆者のもうひとつの経験談を紹介します。

「大手宅配会社の案件で働きたいと思い、あるA社に業務委託として入社しました。ところが、その会社は実は1次請けではなく、2次・3次・4次と下に連なる下請け構造の中の末端だったのです。」

「売上は40万円ありましたが、最終的に22万円が中間業者に抜かれていました。ロイヤリティ以外にも“中抜き”という名の搾取が存在することを痛感しました。」

このような多重下請け構造では、中間マージンが何層にも発生し、最終的に現場で働くドライバーの報酬が削られる仕組みになっています。

応募時に確認すべきポイント

  • 元請企業か、それとも何次請けか?
  • 案件の流れ(どこから依頼が来ているか)
  • 支払明細に明確な根拠があるか?

筆者からのメッセージ: 軽貨物ドライバーを目指す上で、「稼げる」だけでは不十分です。 自分の努力が正当に評価され、きちんと還元される環境を選ぶことが最も大切です。 ただ案件を選ぶのではなく、自分を守れる会社を選んでください!


契約書を交わさない会社には要注意!

軽貨物業界では、業務委託契約でありながら契約書を交わさない会社も少なくありません。

これは法的にも非常に危険であり、後から「話が違う」「聞いていない」などのトラブルが起きた際に、ドライバー側が圧倒的に不利になる可能性があります。

「口約束で始めた仕事、途中から報酬体系が勝手に変えられた」「手取りがどんどん減っていったけど、何を根拠に引かれているのかわからなかった」

このような事態を防ぐためにも、

 必ず確認すべきこと

  • 契約書が存在するか(紙面 or 電子)
  • ロイヤリティの割合と名目が明記されているか
  • 支払いサイト(締日・支払日)が明確か

契約書を作成しない時点で、その会社は避けるべきです。ドライバーの立場を軽視している証拠と言えるでしょう。

契約書は、あなたを守る最後の砦です。どれだけ言葉巧みに良い条件を提示されても、文書に残らない約束は、約束とは言えません。


まとめ|軽貨物で後悔しないためにできること

軽貨物業界には魅力もありますが、同時に情報の非対称性や搾取構造、ブラックな契約環境も少なくありません。だからこそ、これから始める方には以下の点を強く意識してほしいと思います。

✔ チェックポイント再確認

  • 募集元は何次請けか?
  • ロイヤリティと中抜きの詳細は開示されているか?
  • 手取りベースの月次収支をシミュレーションしたか?
  • 契約書は交わしているか?
  • SNS・口コミ・他ドライバーの評判を調べたか?

あなたを守るのは“情報”と“行動力”

あなたの労力と時間は、正しく評価されるべきです。高収入の謳い文句に惑わされず、現場のリアルに耳を傾け、自分の目と判断で会社を選ぶことが、軽貨物ドライバーとしての第一歩です。

「なんとなく」で契約するのではなく、「納得して」仕事を始められるように。

もし今まさに応募を検討しているなら、この記事を参考にして、焦らず慎重に、一歩ずつ確実に進んでください。


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この記事を書いた人

WEBマーケティング経験を経て、大手宅配や企業配送でドライバー経験を積んだ後、法人を設立。独立支援や仕事獲得支援に加え、サイト制作、採用支援、事業立ち上げコンサルを提供し、軽貨物事業とドライバーの成功を全力でサポートしています。

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